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ナチュラルライフで迎える人生の再スタート
番外編
熟練の素晴らしさ
~リハビリの時間に感じた、人の手と経験の力~
リハビリを毎日続けている中で、
あらためて感じていることがあります。
それは、熟練した人の力の素晴らしさです。
手術後のリハビリは、
ただ身体を動かせばいいというものではありません。
どの筋肉を使うのか。
どこに力が入っているのか。
どこに負担がかかっているのか。
今の身体にとって、どんな動きが必要なのか。
その一つひとつを、
丁寧に確認しながら進めていく必要があります。
リハビリが休みの日には、
自分でもできる範囲で自主リハビリを行っています。
理学療法士の先生から教えていただいた動きを思い出しながら、
無理のない範囲で身体を動かす。
それはそれで、とても大切な時間です。
けれど、やはり自分だけで行うと、
どうしても自己流になってしまう部分があります。
自分では正しく動かしているつもりでも、
必要な筋肉がうまく使われていなかったり、
知らないうちに別の場所に力が入っていたりすることがあります。
本来使いたいところではなく、
別の部位に負担がかかってしまい、
かえって痛みや違和感が出てしまうこともあります。
「頑張っているつもり」なのに、
身体には違う伝わり方をしている。
そのことに、
自分一人ではなかなか気づけません。
そんな時に、
リハビリの先生の存在の大きさを強く感じます。
リハビリの時間は限られています。
一回の時間は、およそ40分。
その限られた時間の中で、
歩き方を見ていただき、
痛みや違和感の場所を伝えます。
すると先生は、
まるで私自身よりも私の身体を理解しているかのように、
私の身体の動きや姿勢、足の出し方、
力の入り方を見ながら、
瞬時に必要なことを見極めてくださいます。
「ここを使いたいですね」
「この動きだと、こちらに力が逃げていますね」
「少し向きを変えてみましょう」
「この筋肉を意識してみてください」
優しく筋肉にそっと手を添えてもらっているだけなのに、
そう言われて動いてみると、
不思議なほど感覚が変わります。
同じように足を動かしているつもりでも、
少し角度を変えるだけで、
使われる筋肉が変わる。
少し姿勢を整えるだけで、
痛みの出方が変わる。
少し意識を向ける場所を変えるだけで、
身体の動きがまったく違って感じられる。
そして、
痛みが消え、可動域も広がっていく。
そのたびに、私は思います。
これは、
ただ知識があるだけではできないことなのだと。
もちろん、今の時代はAIが普及し、
情報を得ることはとても簡単になりました。
調べれば、
リハビリの方法も、
筋肉の名前も、
運動のやり方も、たくさん出てきます。
AIに聞けば、情報を整理してくれます。
文章を書く時にも、
考えをまとめる時にも、
AIはとても力になってくれます。
情報処理の速さや、知識を整理する力は、
本当に素晴らしいものだと感じています。
けれど、
実際の身体は、画面の中の情報だけでは動きません。
目の前の身体を見ること。
その人の表情や痛みの出方を感じ取ること。
歩き方のわずかな違いに気づくこと。
どの筋肉が使えていて、
どこに余計な力が入っているのかを見抜くこと。
そして、その熟練した手の感覚を通して、
その場で一番必要な施術やエクササイズを選び、
実際に体感させ、わかりやすく伝えること。
それは、単なる情報処理ではありません。
経験と観察と感覚が積み重なった、
熟練の力なのだと思います。
身体は、教科書通りにはいきません。
同じ手術を受けたとしても、
年齢も、体力も、筋力も、生活環境も、
痛みの感じ方も人それぞれです。
昨日できたことが、
今日は少し難しいこともあります。
反対に、
昨日より少し動きが良くなっていることもあります。
その小さな変化を見ながら、
その日の身体に合ったリハビリを組み立てていく。
そこには、熟練された
人の目と、人の手と、
人の経験が必要なのだと感じます。
私はリハビリを受けながら、
自分の仕事のことも思い出しました。
長く続けてきた仕事の中にも、
数字や資料だけでは見えないものがあります。
現場の空気。
材料の感触。
人の表情。
ちょっとした違和感。
長年の経験があるからこそ、
すぐに気づけることがあります。
きっと、
どの仕事にもそういう熟練の世界があるのだと思います。
リハビリの先生が、
限られた時間の中で私の身体を見て、
必要なことを的確に伝えてくださる。
その姿を見ていると、
専門職として積み重ねてきた時間の重みを感じます。
技術とは、ただ知っていることではない。
瞬時にその場で使えること。
相手に合わせて届けられること。
目の前の人の要望を汲み取り、より良い解決へと導く。
それが、本当の熟練の技術なのだと思いました。
そして同時に、私自身も、
自分の身体と向き合う時に、
もっと謙虚でいたいと思いました。
自己流で頑張りすぎないこと。
わからないことは聞くこと。
痛みや違和感は我慢せずに伝えること。
先生の言葉を信じて、丁寧に身体を動かすこと。
リハビリは、自分一人で頑張るものではありません。
支えてくださる人の力を借りながら、
自分の身体と少しずつ仲良くなっていく時間なのだと実感しています。
AIがどれだけ進化しても、
人が人を見て、感じて、支える力は、
やはり特別です。
情報は大切です。
知識も大切です。
けれど、
その知識を目の前の一人に合わせて使える力。
その人の身体の状態を見て、触れて、感じ取り、
今必要な施術や動きを選び取る力。
そこに、熟練の素晴らしさがあるのだと思います。
やはり、
人対人の熟練された施術は必要であり、
とても効果的なのだと感じました。
画面の中の情報だけでは届かないものがあります。
その場にいる人の目。
手の感覚。
積み重ねてきた経験。
そして、相手の回復を願う気持ち。
それらが重なった時、
身体は安心して、
少しずつ本来の動きを取り戻していくのだと感じました。
今日のリハビリも、
私にとっては単なる運動ではありませんでした。
身体を整える時間であり、
人の技術に触れる時間であり、
自分自身の身体をもう一度知っていく時間でした。
焦らず、比べず、自分の歩幅で。
その言葉を胸に、
これからも先生方の力を借りながら、
一歩ずつ回復へ向かっていきたいと思います。
熟練の力に支えられながら、
私の新しい日々は、少しずつ形になってきています。
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